【1】 1966年のライブ 〜 Live In USA 1966 / Sounds Of Silence Live
   本文: さとう氏 http://plaza12.mbn.or.jp/%7Esatom/sg.htm

 


  
Live In USA 1966 
[Black Panther BPCD 006]



Sounds Of Silence Live
[BACK TRAX CD4-88009]

 


【曲 目】
1. Sparrow
2. Homeward Bound
3. You don't Know Where Your Interest Lies
4. A Most Peculiar Man
5. Red Rubber Ball
6. The Dangling Conversation
7. The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)
8. Richard Cory
9. Benedictus
10. Blessed
11. A Poem on the Underground Wall
12. I am a Rock
13. Anji
14. The Sound of Silence
15. For Emily Whenever I may Find Her
16. A Church is Burning
17. Wednesday Morning 3 A.M



 1966年。「簡単で散漫な演説」にも登場するレニー・ブルースがこの夏、亡くなっている。また、1954年に始まったベトナム戦争がまだ続いていた年でもある。

 「水曜の朝、午前3時」の「サウンド・オブ・サイレンス」のオリジナル・バージョンに彼らの了解なしでアレンジが加えられ、デビュー・シングルとして大ヒットを飛ばしたのが1965年末から1966年頭にかけて。ダークホースを見つけたCBSは急ぎ彼らのセカンド・アルバム「サウンド・オブ・サイレンス」とサード・アルバム「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」を1966年、立て続けにリリースすることになる。このライブはそんな1966年、ニューヨークで行われた、とされる。【

 セットリスト(演目)は、2002年にリリースされた、1967年1月22日のニューヨーク、リンカーンセンターでのライブの模様を収めた" Live From New York City 1967 (以下NYC1967)" とほぼ同じである。

 「バックは僕のギター1本で充分。」と当時、ポールが言っている。ステージにおける二人のハーモニーとポールのギター、この三者が絶妙かつ美しいオーケストレーションを生んでいる。

 「Homeward Bound(早く家に帰りたい)」 、「The 59th Street Bridge Song (59番街橋の歌)」、「The Sound of Silence (サウンド・オブ・サイレンス)」 といった代表的ナンバーは、この時期のステージに特有の緊張感にあふれている。

  アルバム未収録曲 「You don't Know Where Your Interest Lies (君の可愛い嘘)」 のライブテイクは、2002年に「NYC1967」が発売されるまでは、この音源でしか聴けなかった貴重なものである。

 オープンDチューニングとベースランニングが印象的な 「Richard Cory (リチャード・コリー)」、 アドリブを駆使した、レコードテイクとまったく異なる演奏が驚きの 「Anji (アンジー)」、こうした曲ではポールのギター・テクニックに舌を巻く。

 そして、もうひとつのライブの面白さは二人のステージ・トーク。ウイットに富んだ小話は、「NYC1967」同様、曲の合間も聴衆の心をつかんで離さない。

 この2枚のCDの音源は同じであるが、「Live In USA 1966 」(以下「USA1966」)の方は録音ピッチの乱れ、いわゆるワウフラッターが気になる。音質面では幾分、「Sounds Of Silence Live」の方がお奨め。

  これらのライブ盤CDの入手方法だが、「USA1966」の方は、書店でいわゆる1000円CDとして購入したもの。こちらは1998年頃までは、ワゴンセールなどでもしばしば見かけることができた。「Sounds Of Silence Live」の方はブートレッグ専門店で購入した。現在は両方とも廃盤となっているもよう。 (さとう)

 

【注】このライブの録音時期・場所については、正確な情報が伝わっていない。通説的には曲目から判断して1966年中葉以降とされてきたが、1967年2月または3月とする説も提出されている。当会議室「談話室」の金刺氏によるコメントを引用する。(こうもり)

  「・・・ア−トが、「Red Rubber Ball (レッド・ラバー・ボール)」を歌う前に THE CYRKLEが89万枚売ったということを話しています。この曲が全米ヒットチャ−トの2位までいったのは1966年7月第1週か2週目だったと思います。ですからそれ以降であることは間違いないわけです。・・・(中略)・・・そして、ポイントは「You don't Know Where Your Interest Lies (君の可愛い嘘)」 を歌っている事です。・・・(中略)・・・この曲の著作権登録は1967年となっています。(従って、このライブは)
1967年2月のカーネギー・ホール (ニューヨーク) か、3月11日のタフツ大学 (ボストン) あたりではないでしょうか?」

     
 
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