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大口洋一
- 08/1/26(土) 23:21 -
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この本、おもしろいです。amazon.jpで買えました。
抜粋して紹介します。
Making Records - The scenes behind the music
by Phil Ramone with Charles L. Granata, 2007, Hyperion
Track14 p160
ポール・サイモンと初めて会った日を決して忘れない。
最初の共同作業は1972年のことで、ポールのヒット「僕とフリオと校庭で」
であった。ポールは最初のソロアルバム「ポール・サイモン」を製作中で,
わたしはセッションのエンジニアをしてくれと依頼されたのだった − ポー
ルの長年のエンジニアでありプロデューサーのロイ・ハリーが参加できない
という理由で。
ある日の午後,わたしのスタジオの電話が鳴った。
「こちらはポール・サイモンです」と向こう側の声がいう。
「そうだろうね」とわたしは答えた。エンジニアの誰かが,からかっている
んだろうと思ってのことだ。
「いや,本当にポール・サイモンです」と相手は言う。「あなたが優れたエ
ンジニアだと聞きました。いま,ソロの仕事に取り組んでいるんですけど,
一曲あなたと仕事が出来たら良いと思っています」
その頃,ロイ・ハリーはコロンビア・レコードで最も進歩的なプロデュー
サーで,わたしは彼を尊敬していた。
サイモン&ガーファンクルの「ブックエンド」や「明日に架ける橋」は高い
音楽性と技術的な水準を反映していた。両者ともわたしに製作の可能性を見
開かせてくれた。
<中略>
ギタリストのデビッド・スピノザがリハーサルしていた時,ソリッド・ボデ
ィのエレキギターをアンプをオフにして弾いていた。彼のピックが打楽器的
なチャカ・チャカ音を出すのにわたしは気がついた。調性も無いし,小さな
音だったが,好きな音だった。わたしは,アンプを入れる代わりに,マイク
ロフォンをデビッドのギターの前に直接置いてみた。
ポールはバンドに合わせて「僕とフリオ」を通しでやってみた。わたしは
テープを回した。ポールのアコースティック・ギターとデビッドのギター奇
妙なリズム音の組み合わせが新たに打楽器的な音を作り出した。録音を再生
してみると,ポールは「これは気に入った」と言い,わたしはポールに喜ん
でもらったことに感激した。そして,彼のレコードのひとつに新鮮な音をも
たらす何かに偶然出会えたことに感謝した。
わたしのスタジオで,また,ポール会えるかどうか,その時は,わからなか
った。
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ご無沙汰しています。
これは、凄い、興味深い話ですね〜
>子供の頃からの友だったとはいえ、彼らは完璧に反対だった。
>わたしが知っている兄弟のなかで、最も強烈に言い争うのだった。
>それでもハーモナイズすると、純粋な魔法となった。
>コンサート後の雰囲気には全く驚かされた。
>今まで見たことのない光景だった:人々はろうそくの灯火を持ち、
>大きなラジカセで、たった今コンサート中に録音したカセッ
>ト・テープを再生していた。聞こえてくるのは鳴り響くサイモン&ガーファ
>ンクルの音楽だけ、どこを向いても同じだった。
>わたしは考えた「ポール・サイモン
>とアート・ガーファンクルは分かれてしまったのかもしれないが、彼らは常
>に信じがたいほど融け合うハーモニーで結ばれているんだ」と。
この辺りの記述は、特に胸にグッときますね(^^)
まだまだ多くの逸話がありそうな、伝説のコンサート…
一冊の本が出来そうですね。
大口さん、感謝です。
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大口洋一
- 08/2/10(日) 16:26 -
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MAKING RECORDS - The scenes behind the music
by Phil Ramone with Charles L. Granata, 2007, Hyperion
Track 2 The Music That Makes Me Dance
Page 41-43
録音リハーサルの効用はなんだろうか?
ポール・サイモンの「母からの愛のように」がリハーサル・テープが真に救
命具となる良い例だ。ポールは,アコースティック・ギターとボーカルでこ
の歌のデモ・テープを作っていて、その翌日、ゴスペル分野に精通したボー
カル・グループのディキシー・ハミングバーズとリハーサルをした。
ゴスペル・カルテットのうちでもディキシー・ハミングバーズは、最も才能
に富み、多芸多才であった。1920年代のジュビリー・ゴスペル音楽の伝統に
しっかりはまっているのに、そのサウンドはハード・ゴスペル、ブルース、
ジャズやポップの要素を取り入れていた。彼らの顕著なスタイルの秘密はtri
ckerationで、それは、リード・シンガーのアイラ・タッカーが完了する直前
にグループのメンバーが音を重ねるテクニックだ。タッカーは肉体的な演奏
者で、ジャンプしたり、叫んだり、膝を折って祈ったりするので、聴衆との
間には大きな相互作用があった。
リハーサルをセッティングしながら、どうすれば、このグループをボーカ
ル・ブースに適応させられるのかと考えた。「母からの愛のように」は、
ブースで録音する類の歌ではない。ましてやディキシー・ハミングバーズも
閉じこめられることに慣れたグループではない。この問題を解決するために
は、彼らを円形に座らせ、(メンバーのお互いの声が良く聞こえるようなっ
た)。そして、ノイマンU47マイクロフォンを一本、彼らの中央にぶら下げ
た。第2のマイクをポールの前に置いた。
リハーサルは素晴らしかった。ポールがギターを弾いて唄う間、誰もがマイ
クの周囲に集まり、唄い、頭を振り、足を踏みならし、手を打った。何年も
の間で、最も気ままな演奏だった。このセッティングでは、そのグループの
手の中で、この歌が崇高なレベルまで持ち上げられた。はしゃぎ回り、気取
らない演奏で、楽しかった。歓喜の具体化であった。
この時のグルーブの伝わり方は、よそ見をしていられないほどだった。それ
で、翌日の本番に強く期待することとなった。
話の決め手は、翌日に「母からの愛のように」を再録音しなかったというこ
とだ。
完成させようとしたとき、私たちには、ぴったりくる感覚が得られなかった。
全員の努力にも拘わらず、昨日聞いたような、建物を揺らすような熱狂的演
奏にならなかった。
全員の記憶を呼び覚ますため、リハーサルのテープを引っ張り出し、ポール
とディキシー・ハミングバーズをブースへ呼び込んだ。彼らはコンソールの
周りに集まり、聴いた後で、昨日のリハーサルのようにすぐに伝わるグルー
ブを生み出すことが出来なかったと言い出した。わたしは言った「それなら、
これ(訳注:昨日のリハーサルの録音)を使いましょう」と。やらなければ
いけないことはバンド(ポールのエレキ・ギターとデビッド・フッドのベース、
ロジャー・ホーキンスのドラムス)をオーバーダブすることだった。この複合
作品が、最終的なレコードとなった。
レコードの魅力に貢献するものが、意図的なものか偶然の出来事かが、ある
いは最終の録音に小さな欠陥があるかどうかが重要だろうか? わたしは気
にしない。レコードが良いものであるためには、音楽的にあるいは技術的に
完璧である必要はない。
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こうもり
- 08/2/10(日) 19:45 -
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>レコードが良いものであるためには、音楽的にあるいは技術的に
>完璧である必要はない。
フィル・ラモーンらしい言葉ですね。
完全主義で粘着質のロイ・ハリーとはずいぶん違いますな。
大口さん、ご苦労様です。
この本買いました。読んでませんけど(苦笑)
巻末に索引がついているので、ターゲットの記述を見つけやすいですよね。
索引でみると、あたりまえですが、Billy JoelとPaul Simonの登場回数が圧倒的に多いですね。
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大口洋一
- 08/2/10(日) 23:47 -
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▼こうもりさんの投稿:
>巻末に索引がついているので、ターゲットの記述を見つけやすいですよね。
そう、まず索引に付箋をはり、それから目ざすページを読むという読み方
しました。(大笑)
この本、Philの話を録音してから共著者がまとめたようですね。
あちこちにいろいろなアーチストの話がちりばめてあって、
宝探しのような読書です。(笑)
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