| |
<アート>
ロックンロールは、どちらかというと黒人のものだった。僕たちみたいな白人の子供がそこに入れ込むのは、とても珍しかったんだ。けれど、僕らが本当にロックにはまったのは、ドンとフィルのおかげだった。『バイ・バイ・ラヴ』を聴いたとき、初めて自分たちにもチャンスはあると分かったんだよ。エヴァリー・ブラザーズ。エヴァリー・ブラザーズは、ただもうひたすら凄かった。だって、それ以外にどう言ったらいいだろう?彼らは文句なしに最高だった。音楽が好きだったら、彼らの正確さ、ノリの良さに、引き込まれずにはいられないはずだ。僕は、『バイ・バイ・ラヴ』のイントロの半分まできたところで、もうすでに彼らのファンになっていたように思うよ。初めてこの曲を聴いたとき、彼らが歌い始めてさえいないところで。ただ、<『バイ・バイ・ラヴ』のイントロのギターを口ずさむ>ここだよ。ここで僕は、「これはいったい何だ?」ってなっていた。エヴァリー・ブラザーズは、本当に素晴らしかった。
<ポール>
エヴァリー・ブラザーズのレコードが出た途端、彼らが僕たちのお手本になった。当時は、メジャーの大きなレコード会社は、ロックを録音したりしなかった。だから、地元のグループがレコーディングするには、小さなレーベルが頼りだったんだ。アートと僕は、14歳で、レコード会社回りをしていた。ドアをノックして、オーディションを始める。当時はそれぐらい簡単なことだった。ドアをノックして入っていくと、秘書が座っていて、2部屋ぐらいのオフィスがある。「僕たちは自分たちで歌を書いて歌っています。」と言うと、「ああ、分かったよ、聴かせてもらおうか。」となる。僕が25ドルのギターを取り出して、二人とも立ち上がって歌い出すんだ。確か、14歳の時にレコードの契約にサインしたような覚えもあるよ。
自分たちのレコードが出たのは、それから1年後、15歳の時だった。レコードを出したことで、僕の両親は非常にショックを受けていたと思うね。まさか二人が本当にレコードを出すなんて思っていなかっただろうから。レコードは売り出され、ラジオでかかり、ヒットした。全国的なヒットになった。全国チャートでは、そんなにビッグ・ヒットってわけじゃなかった。せいぜいトップ50ぐらい。でもニューヨークでは、トップ10にまでいったんだよ。
|
|