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コンサートの思い出を、いくつか書き記したいと思います。
まず、今回のセットリストが「サイモン&ガーファンクル物語」となっていたことです。
冒頭の『Old Friends』は二人のテーマであり、このコンサートのテーマでもあります。
続く『Hazy Shade』『I Am A Rock』『America』『Kathy’s Song』は、いずれも「青春」がテーマです。若々しく瑞々しいS&Gがまず登場した訳です。
そして『Hey School Girl』と『Bebop-A-Loo-la』で自分たちの原点を確認します。
さらに『Scarborough』『Homeward』『Mrs.R』とS&G大ヒット曲を連ねます。デュオの絶頂期です。
そこに微妙な陰が差しました。『Slip Slidin’』では「本当はS&Gの歌にしたかった」とポールがコメントします。『Condor』はBridge期の不安定さの象徴かと思われます。
このあと、それぞれ3曲づつ歌います。ソロイヤーズです。
ここで特筆。『Still Crazy』において、Tony Cedrasは、故リチャード・ティーのプレイを完全コピーしていました。またAndy Snitzerのサックスソロは、故マイケル・ブレッカーのコピーでした。TonyとAndyは、かつてポールバンドの主要メンバーだった故人二人に対してトリビュートを行ったものと思われます。以上は、よしあき君の意見でした。私はこの意見に感銘を受け、ここにご紹介する次第です。
再びS&Gに戻り『Only Living Boy』です。申すまでもなく、二人の不和を歌った内容です。『My Little Town』の復活を経て、『Bridge』。この盛り上がりには言葉もありません。やはりこの歌がS&Gの大円団なのでしょう。
アンコールを迎え『SOS』『Boxer』『Leaves That Are Green』『Cecila』と進み、終わりました。
特に最後のセシリアは音楽の女神です。ポールとアーティは、二人して音楽の女神の降臨を奪い合ったのではないでしょうか。そしてその奪い合いもいまや総決算を迎え、二人はミュージシャンの完成期に入ったと思われます。
サイモン&ガーファンクルを聞いて41年、こんなに良いコンサートを見られるとは思いませんでした。
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