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イッシーです。
先週土曜日、僕は青森県八戸市から国道45号線を南下し、岩手県北部の野田村まで行って来ました。
野田村は大津波被災地です。坂道を少し下り信号を一つ過ぎたところからいきなり景色が変わり、瓦礫の山でした。右手には太平洋と壊された防波堤、左手には瓦礫。
そこには、音がありませんでした。
普通どんなに静かな住宅街でも、何かしらの人間活動の音がしています。
一軒一軒から、テレビや台所の煮炊き、電気メータが回る音など、一つ一つは小さくても、人の気配があるものです。
先週の野田村には、人の気配がありませんでした。
賽の河原があるとしたら、こういうものだろうかと思いました。
そしてあの恐ろしい静寂は、Sound Of Silenceだと思いました。
もちろんポールが最初からこれを意図して歌を作っていたということではありません。
不思議なのは、ザブンという波の音や、ピューピューという風の音まで聞こえなかったことです。
これは多分僕の心の持ちようだったと思います。
瓦礫のショックで耳が塞がれてしまい、自然が出す音までも聞こえなかったものと思われます。
Sound Of Silenceは、実在する。
歌は作者の意図を超えて、世界を構築すると感じました。
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