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サウンド・オブ・サイレンスは、
「水曜の朝」アルバムのオリジナル・バージョン(以下「64」)と、
アルバム「サウンズ・オブ・サイレンス」バージョン(以下「65」)の、
2種類があります。
この二つを少し丁寧に聴いてみました。
きかっけは、64に入っていたウッド・ベースが、65ではどこに行ったのかな? という疑問でした。
64の構成は次の通りです。
左アーティ、右ポール(ギターも)、
2ndギターとウッド・ベースはポールギターとバランスを取るかのように左寄りです。
とてもシンプルです。
65は、S&Gがモノラルとなってセンターに据えられています。
左端にドラム、その横、センター寄りにエレキベース、
センターをまたいで右端にエレキギターです。
新エレキベースは、スライディングを多用して、かっこいいプレイです。
64ウッドベースはどこに行った? と思って耳をそばだてても、聞こえません。
これぞ真のサウンド・オブ・サイレンス(笑)
さらに64では活躍していた2ndギターも行方不明。
ははあ、さてはカットされたな。
64からS&Gだけを抽出しモノラルミックスして、65のセンターとしたと思われます。
エンディングをよくお聴きください。
whisper'd in the Sounds〜で、
64ではギターのストロークが、じゃんじゃんじゃん、と入っています。
そして、of Silenceの最後に、比較的強めにEm9が、ぼろんと掻き鳴らされます。
65はどうでしょう。
whisper'd in the Sounds〜で、いったんバンドは音を引きます。
しかし小さい音で、じゃんじゃんじゃんが消えずに残っています。これはポールギターと思われます。
of Silenceの最後には、Em9のぼろんがありません! 大発見!
ポールのD-18の音がクリアに響いて終わります。
64の2ndギターがカットされていた証拠となりました。
65は、単純に64にエレキバンドをかぶせただけではないことが分かりました。
一説には、エレキギターが2本入っていると言われています。
二人のギタリストが、同時にほとんど同じ演奏をして、あたかも12弦ギターのような効果をねらったそうです。
「水曜の朝、午前3時」のサウンド・オブサイレンスは、音がきっちり分離されていて、とてもクリアです。
おそらくフォークの名演奏として永遠に残るでしょう。
いまでもそこで二人が生で歌っているような生々しさと親しみがあります。
「サウンズ・オブ・サイレンス」のサウンド・オブサイレンスは、これぞフォーク・ロックです!
1965年という時代を強烈に感じさせます。
逆に言うと、年月とともに古びる音です。
時代の記憶が強烈過ぎて、音にサビがついてしまうのです。
しかし、人々にとっては、まるで星の輝きのように永遠にまばゆいヒットソングです。
二つのサウンド・オブ・サイレンスを持った僕たちはファンは幸せです。
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