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いま「ボブ.ディラン解体新書」(中山康樹著・廣済堂新書刊)を読んでいるんですが、その中にS&Gの「サウンドオブサイレンス」の一般に知られている「ポールとアーティに無断でエレキ12弦ギター、ベース、ドラムをダビングした」という伝説についての記述がありました。
それによると、真相はこうです。1965年4月5日、トム・ウィルソンはS&Gの2人をスタジオに呼び、エレクトリックギターを加えたバンド編成でレコーディングを行いました。レコーディングしたのはポールの書いた「どこにもいないよ」と「はりきってゆこう」の2曲で、後日トランペットとストリングスが新たにダビングされました。
その時、ポールとアーティは自分たちがエレクトリックなフォークロックな方向に向かっていることを察知したそうです。だから、「SOS」のフォークロックバージョンを聞いて2人が「ビックリした」という世間で知られてきたエピソードは成立しないということになります。
そして「SOS」のオーバーダビングに参加したミュージシャンですが、これまではディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」のレコーディングに参加したセッションミュージシャンを、そのままスタジオに残して「SOS」のオーバーダビングを行ったと言われていますが、実際に参加したのは・・・・
ヴィニー・ベル(エレクトリック・ギター)
アル・ゴーゴニ( ” )
ボブ・ブッシュネルあるいはジョニー・マチョ・ジュニア(ベース)
ボビー・グレッグあるいはマディ・サルツマン(ドラム)
という顔ぶれで。ディランのセッションとは何の関係もないそうです。
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