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ニューヨークと青森県八戸市は同じ北緯41°に位置するため、気候が似通っています。8月末ともなると、めっきり涼しくなりました。
そうなると、1981年9月19日、セントラルパークで開催されたS&G復活コンサートに想いが向かいます。久しぶりに同ライブ盤を聴きました。
本編最後の『ボクサー』で涙がにじみました。
いい曲だなぁ!
何度も蒸し返しの話題ですが、このライブを語りたくなりました。
この『ボクサー』には、歴史的区切りとなるところがあります。
どのアーティストもライブを重ねるほどに、「楷書→行書→草書」の段階を踏み「崩し」が進みます。
81CPは「行書」の始まりだと思います。理由は2つあって、
(1)ポールがサムピックと、人差し指フィンガーピックを使っていること。
(2)「Lie-la-lie」が、原型を保っていること。
それ以外の各所では崩れが始まっているので、行書と判断しました。
このバージョンには、演奏のミスが2つあります。
まず、歌の出だしをアーサーが間違えて苦笑している。ま、これは、観客の拍手に合わせて、フレーズを変更したポールにも責任があります。
もう一つは、歌の5番「Leading me, To going home」のところ、コードは「Em-Am-G」なるも、故リチャード・ティーが間違えて「Em-Am-C」と弾いています。「home」が「C/G」というへんてこな和音になっています。これもご愛嬌です。
ぼくは、S&Gとそのバンドが明らかにミスした現場を、このとき初めて見ました。
1981年CPは80年代の作品ですが、演奏の傾向としては70年代の総仕上げともいえます。このライブをもって、1964年以来の第1期S&Gが幕を下ろしたのかもしれません。
続くポールの『Hearts And Bones』は、明らかに80年代サウンドに切り替わっていました。『Graceland』を頂点とする新時代へと入ったと思います。
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