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はやいですねぇ。出回るの。
わざわざ来る意味あるの?と問われる時代かもしれませんが、
あるよ!、と答えるために・・・笑
うらうめさんから、もっとビッグな報告があるかもしれませんが、
私はヴィンセント・ンギニのお話を。
最終日、13日のコンサートあとに、ヴィンセントと話す機会がありました。
今までのツアーでは、会場周辺をうろうろするマークやスティーブ・ガッド
と違って、なかなか会うことすら出来ず、今回も何度か見かけることは
あったのですが、近づきにくい雰囲気がどことなくあって、
ゆっくり話すことはありませんでした。
しかし、最終日ということで、思い切ってアプローチして、
1999年以来、毎回のようにコンサートを見ている、といったら
意外と話しに乗ってきてくれたので、調子に乗って
ギターの話をしてみました。
まずは、彼独特のフィンガースタイル。
The CoastやSpirit Voicesにみられる奏法についてたずねてみると
彼は常に2フィンガーでプレイし、それは西アフリカ独特の
奏法だと、説明してくれました。今回は歌手が違うこともあって
カポを使ってキーを調整していることも確認しました。
それから、The Cool, Cool Riverについてたずねてみました。
Rhythm of the Saintsのアルバム自体、おそらくポールとヴィンセントの
共同作業の部分が多かったものと想像しますが、この曲も
やはりそうだったようで、あのリズムは、ヴィンセントの出身の
部族独特のリズムだそうです。一般に9/8拍子と解されるリズムで、
彼も、確かに分析するとそういうことになるが、彼はそういう風に
考えてはいない、とはっきり説明してくれました。
では、2拍子の要素をピックアップして解釈するのかと思って
聞いてみると、そうでもない。そして、彼は
「ぼくは常々、バンドのメンバーにも言うのだけれど」
と前置きをしたあとで、「ぼくの中ではこういうリズムなんだ」と
ぼくの胸にこぶしを当てるようにしてリズムを刻みながら、
この曲を弾くときは
"Don't count, just feel it. It's like heart beat"と
真剣な顔で語ってくれました。
今まで、多くのバックミュージシャンと話をさせてもらえましたが
こんなに真剣に話をしてくれたのは、初めてかもしれません。
かならずしも、ミュージシャンとのふれあいがコンサートの醍醐味とは
思いません。彼らの家族や知り合いも多く訪れていますので
プライベートに踏み入れるような、ずうずうしいまねはしていないつもりです。
このように、気さくに、しかし真剣に話してくれたヴィンセントの
やさしさに心を打たれました。
JFKにて
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