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1曲ごとにこんなにいろいろ味わうところがあって、毎日いそがしいです(笑)
3週間かかってHow Can You・・?の構成がやっと覚えられて、ところどころCD聞きながら一緒に歌えるようになってきて、Outrageousのコードが解析できて、よしよしだいぶん馴染んできたなと思ったら、Another Galaxy事件(英語ダメな私の中だけの事件ですが)
しかもこのアルバム、BGMの中にいろんな音が埋まっていて、あるとき突然、Outrageousの中でびゅんびゅん車が走っているのに気付いたり、ああ、この音はギターの反転エフェクトだったのか、とか、メインのギターの残響が消えると、ジージーとずっと後ろで鳴っていたノイズが聴こえてきたり、だんだん聴こえていなかったいろんな音が聴こえてきます。CDなのに、何回聴いても違う音が聴こえてくるという・・・。
「一見単純な繰り返しだけど、本当は一度も繰り返していない」という表現手法、原宿の展覧会で絵を770万通りに変化させたりとか、ああいう変なことを永年やっているイーノならではですね。
「似ているけど、同じ音じゃないよ」という主題のなぞなぞ遊びがあったとして、問題が3通りしかないなら、ありふれた子供の遊びかもしれないですが、770万通り・・・となると、いちいち指摘することも個別に正解を説明することも不可能で、別の次元から哲学的に捉え直さなければならない「現象」に変質してしまいます。
そういうちょっと哲学的な感覚にさせておいてから、「こんだけあると、さすがにもう答えられないでしょ?降参する?」と満足げに問いかけるイーノが想像できます。
原宿の展覧会のときも、30秒くらい経って、今さっき通ってきたところの絵を振り返ると、全然違う絵に変わっていて、「だるまさんがころんだ」みたいな展覧会なんですよね。
そういう子供の遊びみたいなことを、もっともらしい展覧会で、あやしげなBGMを流しつつ、さらにその変化する絵もきちんと芸術的に描かれている、という環境を作ってまでやるところが、面白かったです。
黄色い花がモチーフかな、と思った絵に、ふと目を話した隙にブキミな目玉のマークが浮き出ていたりするんですから。きっと独特のユーモリストなんですね、このヒト。
そして、この風変わりな音響哲学者と意気投合して何ヶ月も仕事するポール、これはこれで相当な変人でなければ噛み合わないのでは・・・。
具体的にどういう点で意気投合したのか、どういう風にスタジオワークを分業したのかは、いまのところ謎に満ちていますね。そこに正面から取り組んで、当人に詳しく説明させるところまで突っ込んだインタビュー、期待したいです。
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