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SONYのPCM-3348はデジタル多重録音装置のなかでも、現在でも標準機といっていい機械なんですが、それをぼろくそとは、ロイ・ハリー凄くいいアナログ耳を持っているんでしょうね。
実はPCM-3348、やや音痩せする傾向があるようで、十分な機材を使えないインディーズ録音などでは悩みの種と聞きます。でもロイも認めるように編集ツールとしてのデジタルはすごいんです。
私は仕事でナレーションの録音に立ち会ったりするんですが、なれたエンジニアだと順番の入れ替えとか、呼吸の音を消したりとか、そういう作業も現場でささっとやってくれたりします。フレーズのカット&ペーストなんて、アナログでは考えられませんよね。
そのアナログのStuderはロイも絶賛のアナログ多重録音装置の名機ですから、音作りにマニアックなロックバンドはこれで録音したりします。
Making Of Gracelandで、ポールがミキサーを操作しながらGracelandの解説をやるところ(このシーン私大好きなんですが)をよーくみると、デジタルのPCM-3348とアナログのStuderA827が同期されている様子がわかります。Studerがまわっているときに、PCM-3348のトラックごとについているボリュームメータがたくさん一緒に動いていますよね。
きっとベースのトラックをPCM-3348でこころゆくまで編集してから、エヴァリーズのボーカルなんかをStuderで録音したんでしょうね。
この辺のことが、ロイのインタビューでぽんぽん出てくる機材名を追っかけた結果、つい最近ようやくわかるようになったのが、うれしいです。
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