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他の場所で既にちょっと語ってしまいましたが、サンフォード・グリーンバーグ氏の書籍が発売されました。
中心となるのは彼が大学時代に失明し、絶望しながらも周囲の助けで大学に戻り、学業を続けていく姿です。
彼と妻のスーは2012年、失明に対する有効な手段を求めて基金を設立し、2020年12月14日(彼の誕生日)に最も貢献した個人あるいは組織に300万ドルが授与されるようです。(設立日から数えた日数が、ケネディが月に人を送る計画を発表→実現と同じだったはず)
アーティは彼を助けた中心人物です。俗な言い方をしてしまうと、この書籍の中頃はほとんどアーティの萌エピソード集です。私はグリーンバーグ氏が一貫して彼を「アーサー」と呼んでいるのがものすごくツボです^^;(数回アーティがあるが、アートはなし)
二人が知り合った部分をちょっと書かせてください。アーティ変です。
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コロンビア大キャンパスに入って1ヶ月足らずの頃、クルーカットにベージュのコーデュロイ、アーガイルのセーター、ホワイト・バックと呼ばれるスエードの靴(当時のアイビーリーグ学生の制服のようなもの)を身に着けた同級の新入生と知り合った。彼はアーサー・ガーファンクルと自己紹介した。しばらく後、クラス後に一緒に歩いていると、彼は立ち止まって私にある場所の草を見て、「本当に」見てと言った。
「サンフォード、ちょっとこの場所の草について考えてみようよ。僕にとって今一番興味があるんだ、この小さい草の場所が。コンクリートの際まで来ているのに、乗り越えてはいないのは奇妙だと思わない?それにどうしてこれは緑なんだろう。黄色だって、赤だってありうるのに、緑なんだ。サンフォード、僕にはこれが興味深くて」
それからアーサーは空を指さし、自然における色の美しさや複雑さについて観察していることを話し出した。即座に彼を変人とみなして切り捨て、その後は距離を置き、周囲に言いふらすような学生も多いだろうと思う。我々大学生は世界を征服する準備をしているんだ、草の区画を熟考するなんて。
アーサーの性格に私は全然閉口したりしなかった。全く逆だった。ずっとこれまで自分は夢想家と実行家が混じった存在だった。夢の世界は余裕がない、灰色の年月の密かな逃避場だった。競争の激しい学校の世界では、実行家が必要に応じて前に出て舵取りをした。しかしかつての夢想家はただ眠って、チャンスを待っていた。そして今、この同級生の夢想家が草の別の色について話してるときに、とても重要な何かが自分に提供されているのだとすぐに気づいた。当時はどれほどそれが素晴らしいか、ほとんどわかっていなかったのだが。
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