新規記事投稿 フォロー記事投稿 記事のキャンセル
From: 長谷川 <a-ki-ra@za2.so-net.ne.jp>
Subject: Re: ポールサイモンのF−30について
Date: 2001/02/14 03:33:26
Reference: player/00213

F−30の八百屋さん、こんにちは。長谷川と申します。

いやあ、F-30の話、いいですねー。ポールファンにとっては、憧れですよね。

> ポールサイモンがS&G時代にメインで使用していたギルドのF−30についてなのです
>F−30(アラゴン)と書いてあったと思うのですが、アラゴンとは何を意味
>するのでしょうか?。また、あのF−30の製造された年、わかる方いらっしゃいますか?
>。ついでに、材質についてもお分かりでしたら教えてください。

これまで、書籍などで仕入れた私の知識でよかったら、参考にしてください。

以前、この欄で触れたことがありますが、ギルド社のギターのラインナップには
マーチン社の「O」シリーズと同様のグランドコンサートタイプの「F」シリーズがあるのは、御存じと思います。
腰のくびれた、ひょうたん型のボディーですね。
このFシリーズのボディーサイズが大きい方から順に50,40,30,20と、ナンバーがつけられています。

ギルドギターブックという輸入ものの書籍をみると、
F50にはNAVARRE、F40にはVALENCIA、F30にはARAGON、F20にはTROUBADOUR、というサブネームがつけられています。
スペインの地名などから取った愛称ではないかと推測しています。
(トヨタの昔のカローラ、スプリンターシリーズのうち、スポーツタイプのTE27,TE71,AE86などの型式の車種に
レビン、トレノの愛称がつけられていたようなもんでしょうか?)
例えが適切じゃないですね……

F30は、1954年から製造が始まったようで、
当初は、トップはスプルース、サイドとバックはメイプル、ネックはマホガニーとメイプルの3ピース、
フィンガーボードとブリッジはローズウッド、ぺグはウェバリーの3連タイプ
59年からはサイド、バックがマホガニーとなったようです。

ポールは、ギルド社に1967年に特注し、2本の特製品を手にしています。
この時、サイドとバック、ブリッジにはブラジリアンローズウッド=ハカランダが使われ
フィンガーボードはエボニー、ネックはマホガニー、ペグはグローバーのロトマチックが採用されたとのことです。

これを元に、ローズウッドモデルのF30Rが1973年から製造されるようになったと記述されています。
ただ、このF30Rは、ボディシェイプが、ポールのモデルから若干、変更されているようです。

シンコー・ミュージック刊「世界を変えたギターたち」(96年10月発行)には
ポールのF30が紹介されていて

ポールの現在のプロダクション・アシスタントのジム・コロナはこう語った。

「彼は、スタジオでF30スペシャルをよく使っていたよ。明日に架ける橋や
ミセス・ロビンソンなど、大ヒット曲も何曲かは、このギターでレコーディングしたよ」

現在、DRストリングス副社長のマーク・トロンジは、サイモンが、このギターを買った当時は
セールスマネージャーだったが、その時の思い出を、次のように語ってくれた。

「このギターを手にして、まず最初に彼がやったことは、書いたばかりの曲、
アメリカを、その場で弾いたのさ」

というエピソードが紹介されています。

リットーミュージック刊のムック「アコースティックギター7」(98年12月刊)にも、ポールのF30が紹介されていますね。

ああ、これで、私の知っていることは、すべて吐き出してしまいました。
もし、誤った点がありましたら、どなたか、ご指摘ください。

では。